教科書もデジタル化?教育の現場にも広がるデジタルブック
日本の学校では、ノートパソコンやタブレットなどの端末を使用した授業が増えてきています。画像や動画を使った授業や、インターネット検索を使った学習ができるなど、利点の多いデジタルブックですが、それにともない教科書のデジタル化も重要になるでしょう。今回は近年導入され始めているデジタルブックについて解説していきます。
教科書デジタル化の流れ
教育ICTの発展により教科書デジタル化は、日本の小中学校で多く採用され始めました。文部科学省の発表した「学習者用デジタル教科書の効果的な活用のあり方等に関するガイドライン」でも2024年度までのデジタル教科書の本格的な導入を目標としています。ここからは、教科書デジタル化の流れで重要なポイントを2つご紹介します。
GIGAスクール構想
「GIGAスクール構想」とは、小中学校などの教育現場で生徒一人ひとりにパソコンやタブレットなどのICT端末を使うことができるようにするという教育改革案のことです。この改革は生徒それぞれに最適化された教育の提供を目標にしています。現在では全国ほとんどの小中学校で端末の導入が完了しました。GIGAスクール構想の実現にともなって教科書のデジタル化も大きく進められてきています。
ICTの発展
教育ICTの技術も近年大きく発展してきました。その一つに、デジタル教科書がアプリのみだったのがクラウドに対応したことが挙げられます。アプリ型の教科書は膨大なデータ量のため、端末のストレージを圧迫するというデメリットがありました。しかしクラウド配信のデジタル教科書は、インターネットで該当ページにログインして利用するのでストレージ容量を気にする必要がないことに加え、端末へのインストールという手間もなくしてくれました。
新型コロナウイルスによる影響
新型コロナウイルスにより、飲食業界をはじめ多くの業界が解決しなければならない問題を抱えるようになりました。その中でも、人と人とが近くにいるのが当たり前だった教育業界にはどのような変化があったのか説明していきます。
オンライン授業の導入
3密を避けるためにパソコンやタブレットを利用したオンライン授業の導入も多くなってきました。今まで紙ベースで授業していたものをすべてデジタル化して使用する必要があるため、パソコンが苦手な教師にとっては大きな問題となっています。
教育現場は今後もオンライン授業が主流になっていく
新型コロナウイルスが世界全体に猛威を振るってから丸2年が立ちました。感染拡大を防ぐために、マスクやテレワークが当たり前になりました。学校では、飛沫の心配がある合唱やリコーダーを使った授業は減り、代わりに打楽器を取り入れる学校が増えています。
また給食の時間も「黙食」の張り紙が貼られ、給食の時間も自由な会話は制限されるなど、今までの常識では考えられない生活が続いています。オンラインを利用した生活へのシフトは一時的なものではなくこれからも続いていくものと考えられています。
デジタルブックの導入にはメリットがある
オンライン授業をしていく上で重要なのがデジタルブックの導入です。全国のほとんどの生徒にパソコンやタブレット端末が整備されたことにともなって、多くの学校が教科書のデジタル化を採用し始めました。教科書のデジタル化は紙の教科書を使うこととどのような違いがあるのでしょうか。ここからはデジタルブックのメリットについてご紹介していきます。
動画や音声の再生が可能になる
デジタルブックには、動画や音声を挿入することができます。これにより英語学習をする際に正しい発音でリスニングすることができたり、図形を変形させたりする算数の授業では動画によってさらに深い理解をすることができます。
生徒の利用状況の確認ができる
生徒が該当ページを閲覧したかどうかを簡単に確認することができます。また学習ログを残して生徒一人ひとりの学力を分析することも可能になるため、生徒の学習度に合わせて指導することができるというメリットがあります。
資料の作成・配布の負担軽減
授業で使う資料や親御さんへのお知らせの作成も簡単にでき、さらに作成した資料もURLを生徒に教えておくだけで簡単に配布することができます。作成した資料を印刷するという手間の省略と生徒への配布漏れを防ぐことができるため、資料作成の時に生じていた教師の負担を軽減することが可能です。
メモの書き込みや修正が可能
教科書の気になったところにメモを残したり、マーカーでチェックをつけたりすることが可能です。また、学習が進みメモの内容を変更したいときでも簡単にメモの修正やマーカーの消去ができるというメリットがあります。
教育現場に広がるデジタルブックについてご紹介しました。これからの時代の教育スタイルとしてデジタルブックの導入はさらに進んでいきます。今までの授業方式とは異なることが多く戸惑う教師も多いでしょう。しかし、紙の教科書ではできなかったことができるようになる可能性が高いのがデジタルブックです。これから標準化されていくことが予想されるデジタルブックをいち早く取り入れるなど、今の時代にあった教育を意識していきましょう。